「何回受けても宅建に受からない。独学を続けるべきか、通信講座に切り替えるべきか」
この記事では、その判断基準をはっきりさせます。
ネットで「宅建 独学 受からない」と検索すると、予備校のサイトがズラッと出てきます。そして結論は大体こう。
「独学は効率が悪いので、通信講座を使いましょう。」
でも、ちょっと待ってください。
私は通信講座もスクールも使わず、市販テキストとYouTubeだけの完全独学で、宅建に一発合格しました。自己採点は45点(合格点37点)。
環境も決して恵まれていたわけではありません。群馬県の工場で働きながら、子育て中に朝4時〜6時の2時間だけで勉強しました。
受からないのは「独学だから」ではありません。「やり方」に原因があるケースがほとんどです。
ただし、やり方ではなく「環境」を変えた方がいい人もいます。この記事では、その見極め方も含めてお伝えします。
- 2024年度宅建試験に独学で一発合格(自己採点45点/合格点37点)
- 工場勤務12年目・子育て中のパパ
- 勉強時間は朝4時〜6時の2時間がメイン
- 宅建士・FP2級・簿記3級を保有
- 現在は副業Webライターとして不動産分野で執筆中
この記事を読み終えると、こんな状態になります。
宅建に独学で受からない人の共通点5つ

先に断っておきます。これから書く5つは、すべて私自身もハマりかけた落とし穴です。
「受からない人はこうだ」と上から目線で語るつもりはありません。独学で勉強していると、誰もが一度はこの罠にハマります。
気づくのが1ヶ月早ければ、修正に使える時間がその分増えます。
共通点①:宅建業法を完璧にしていない
これが一番多い、そして一番致命的なパターンです。
宅建試験は全50問。そのうち宅建業法だけで20問あります。全体の4割です。
つまり、宅建業法で18〜20点取れれば、残り30問で17〜19点取るだけで合格できます。
逆に、宅建業法が15点以下だと?残り30問で22点以上が必要になります。権利関係(民法)で高得点を取るのは運の要素も大きいので、これは現実的に非常に厳しい。
参考までに、私の本番の科目別得点はこうでした。
| 科目 | 得点 | 配点 |
|---|---|---|
| 宅建業法 | 20点 | 20点 |
| 権利関係 | 12点 | 14点 |
| 法令上の制限 | 6点 | 8点 |
| 税その他 | 2点 | 3点 |
| 5問免除科目 | 5点 | 5点 |
| 合計 | 45点 | 50点 |
※私は工場勤務のため5問免除の対象外でした。試験では全50問を解いています。
宅建業法の20点(満点)が土台になっていることがわかると思います。
「8割くらい取れたし、もう次の科目に行こう」
この判断が、最も危険です。宅建業法は8割ではなく、限りなく満点に近づけるのが正解です。
なぜ「8割でOK」と思ってしまうのか
勉強中盤になると、過去問の正答率が上がってきます。「15問中12問正解=正答率80%」という数字を見て、「よし、次に進もう」と判断するのはごく自然な感覚です。
でも、考えてみてください。本番で20問中12点しか取れなかったら、残り30問で25点以上必要になります。権利関係の難易度を考えると、これは綱渡りです。
宅建業法で1点落とすたびに、他の科目に求められるハードルが上がる。だから「もう十分」ではなく、「もう1周」を選び続けることが合格への最短ルートです。
具体的にどのくらい繰り返すか
私が使ったのは、棚田行政書士が考案した「大量記憶法」という方法です。
「大量記憶法」では「何周やる」という考え方をしません。1問あたり10回以上、間隔を広げながら繰り返すのが核心です。
仕組みはシンプルで、こんな表を1枚作るだけです。
- 縦軸:問題集の問番号(例:宅建業法 問1〜4)
- 横軸:復習するタイミング(初日→半日後→翌日→2日後→4日後→7日後…と間隔が広がる)
解いたセルに緑のマーカーを塗っていくと、進捗が目に見えてわかります。
| タイミング | 間隔 |
|---|---|
| 初回 | 0日目 |
| 2回目 | 半日後 |
| 3回目 | 翌日 |
| 4回目 | 2日後 |
| 5回目以降 | 4日→7日→と間隔を広げる |
宅建業法の問題を例にすると、1問を10ヶ月かけて10回以上繰り返すことになります。「7〜8周やる」という感覚ではなく、「1問を長期間かけて何度も刷り込む」イメージです。
詳しい使い方はこちらで解説しています。
直し方
宅建業法の過去問を、「なぜこの選択肢が正しいのか」「なぜ他の選択肢が間違いなのか」を全肢説明できるレベルまで繰り返す。答えの暗記ではなく、根拠の理解が必要です。
具体的な練習法は「選択肢を1つ指差して、声に出して根拠を言ってみる」こと。声に出せないなら、まだ理解できていないサインです。
共通点②:テキストを全部覚えようとする
テキストを1ページ目から読み始めて、全部の内容を暗記しようとする人。
気持ちはわかります。「試験に出るかもしれない」と思うと、どこも飛ばせない。
でも、宅建は満点を取る試験ではありません。合格点は例年35〜37点です。
つまり、50問中13〜15問は間違えていいんです。
「全部覚えよう」の何が問題か
たとえば、市販の宅建テキストは平均で400〜600ページあります。仮に1日30ページ読んでも、1周するのに約2〜3週間。
問題は、「全部読んだ後に何が残っているか」です。
最初の方に読んだ内容は、最後まで読み終わるころにはほぼ忘れています。人の記憶は翌日に約70%が失われると言われています(エビングハウスの忘却曲線)。テキストを全部読んでからまとめて問題を解こうとしても、序盤の内容はほぼゼロの状態からのスタートです。
しかも、テキストに書いてあることの3割程度しか試験には出ないのが現実です。
「よく出る論点」を知る方法
過去問を12年分やればわかりますが、繰り返し出題されるテーマと、ほとんど出ないテーマがあります。
たとえば宅建業法でいえば:
- 毎年ほぼ必ず出る:37条書面の記載事項、重要事項説明の内容、クーリングオフ
- 数年に1回程度:報酬計算の複雑なパターン、業務停止処分の細かい規定
- ほぼ出ない:施行令・施行規則の末端条項
全部を同じ濃度で覚えようとするのは、配点10点のテーマと配点1点のテーマに同じ時間をかけるようなものです。
直し方
テキストを「全部読む」のではなく、過去問でよく出る論点を洗い出して、そこをテキストで確認する。順番を「テキスト→過去問」ではなく「過去問→テキスト」に変えるだけで、学習効率が劇的に変わります。
- テキストを閉じる
- 過去問を3年分、とりあえず全問解く(正答率は気にしない)
- 間違えた問題の論点を書き出す
- その論点をテキストで確認する
この流れを1周するだけで、「よく出る論点」の地図が頭にできあがります。
共通点③:テキスト→問題集の順番で勉強している
テキストを読む → 内容を理解する → 問題集で確認する
ほとんどの人がやってしまう、「学校式」の勉強法。
この順番、実は独学では非常に効率が悪いです。
なぜ「学校式」がうまくいかないのか
学校の授業は、先生がいます。「重要なのはここ」「ここはよく出る」と、ポイントを絞って教えてくれる。
でも独学でテキストを読むと、全部が同じ大きさで目に入ります。500ページのテキストを読んでも「結局どこが出るのかわからない」状態になります。
私も勉強を始めた最初の2週間、この罠にハマりました。テキストをしっかり読んで、「よし理解した」と思って過去問を解いたら5割以下しか取れない。「あれだけ読んだのに…」と焦って、また最初からテキストを読み直す。この繰り返しで時間だけ過ぎていきました。
私がやった順番はこうです。
- 問題集を見る(最初は当然わからない。それでいい)
- 解説を読む(「こう聞かれるのか」を知る)
- テキストの該当箇所を読む(問題の背景知識を補強する)
いわば、学校の逆です。
「問題を解く→わからない→調べる」という流れで、脳が「知りたい」と思った状態でインプットするから定着率が段違いに高い。
1回目は全問不正解で当然。でも「こういう形式で出るんだな」と知った上でテキストを読むから、2周目から一気に理解が深まります。
「逆順」の具体的なイメージ
たとえば「クーリングオフ」の問題を解いて間違えたとします。
解説を読むと「事務所等以外で契約した場合、買主は書面で申し込み撤回・契約解除できる」と書いてある。
この時点で「クーリングオフって何だろう」という疑問が生まれます。その状態でテキストを開くと、定義・要件・例外が一気に頭に入ります。
「知りたい」と思った瞬間に読むのと、「とにかく読む」では、記憶への定着がまるで違います。
直し方
今日からテキストを閉じて、問題集を開いてください。わからなくていい。まず「どう出題されるか」を知ることが、最も効率的なスタートです。
具体的な1日の流れ(2時間版):
| 時間 | やること |
|---|---|
| 最初の30分 | 過去問を10〜15問解く(答え合わせも含む) |
| 次の60分 | 間違えた問題の論点をテキストで確認・ノートにまとめる |
| 最後の30分 | さっき確認した論点を別の過去問で再度解く |
✅ この勉強法の詳しいやり方は、こちらの記事で5ステップに分けて解説しています。
共通点④:科目の順番を間違えている
「テキストの最初のページから順番に勉強する」
これも危険なパターンです。
なぜかというと、ほとんどの宅建テキストは「権利関係(民法)」から始まっているからです。
理由は、実際の宅建試験が権利関係から出題されるから。テキストの構成が「出題順」に合わせてあるんです。
でも、学習の順番としては権利関係からやるのは最悪手。
民法は抽象的な概念が多く、法律の勉強が初めての人にとっては最も挫折リスクが高い科目です。
権利関係から始めると何が起きるか
民法の勉強を始めると、最初に出てくるのは「意思表示」「制限行為能力者」「代理」といった概念です。
たとえば代理なら「本人・代理人・相手方の三者関係」「無権代理と表見代理の違い」「代理権の濫用」……と、日常生活ではほぼ使わない概念が次々と出てきます。
これを最初にやると、「宅建って難しすぎる」という印象が固まります。
しかも権利関係は14問しかなく、満点を狙っても効率が悪い。「難しい科目でつまずいて、やる気をなくした」という状態で勉強を続けるのは、精神的にもきつい。
私も法令上の制限では苦労しましたが、宅建業法と民法を終えた後だったから「ここまで来たらやめられない」という気持ちで乗り越えられました。もし最初にやっていたら、確実に挫折していたと思います。
独学で受かるための科目の順番
| 順番 | 科目 | 理由 |
|---|---|---|
| ① | 宅建業法 | 配点最大(20点)。最初にやって繰り返し回数を稼ぐ |
| ② | 民法(権利関係) | 難しいが、時間がある序盤にじっくり取り組める |
| ③ | 法令上の制限 | 暗記科目。序盤にやると専門用語で挫折する |
| ④ | 税その他 | 直前暗記でも間に合う。後回しでOK |
宅建業法を最初にやる「もう一つのメリット」
宅建業法は、日常の売買・仲介のルールを扱うため、具体的な場面がイメージしやすい。「不動産屋さんが物件を紹介するとき、こういうルールがあるのか」と、実感を持って学べます。
法律用語に慣れながら、達成感も得やすい。10ヶ月という長丁場、最初の1〜2ヶ月で「自分でも解ける」という感覚をつかめるかどうかが、その後のペースを左右します。
直し方
テキストの目次通りに進めるのをやめる。宅建業法のページから開いてください。テキストは「目次の順番」ではなく「合格するための順番」で使うものです。
今日できるアクションは1つ:テキストを開いて、「宅建業法」の章のページに付箋を貼り、そこから始めること。それだけです。
✅ 科目ごとの学習スケジュールはこちらで月別に公開しています。
共通点⑤:勉強を「ゼロ」にする日がある
「今日は疲れたから勉強しない」 「週末にまとめてやろう」
気持ちはわかります。でも、1日ゼロにすると、元のペースに戻すのに2〜3日かかります。
これは精神的なハードルの問題です。「昨日サボったからまぁいいか」→「2日空いたし、もういいや」→フェードアウト。このパターンが独学で最も多い挫折ルートです。
「週末まとめてやる」が失敗する理由
「平日は忙しいから、土日に5時間やって取り戻す」という計画を立てた経験はありませんか。
実際にやってみるとわかりますが、これは非常に消耗します。
5時間勉強すること自体がハードルになり、「そんな気力がない」と週末も手がつかなくなる。結果、1週間まるごと勉強ゼロ——という状態になりがちです。
毎日10分×7日=70分のほうが、週末5時間よりはるかに身につきます。
記憶の定着は「反復の回数」と「間隔」によるからです。詰め込みは一時的な記憶には強いですが、試験に必要な長期記憶には向いていません。
「ゼロを作らない」ための最小単位
私は10ヶ月間、1日もゼロの日を作りませんでした。
「やる気がない日」は当然あった。でもそんな日でも、スマホに保存した過去問の画像を1問だけ見る。それだけで「今日もゼロじゃない」と言えます。
具体的にやっていたことを書くと:
- 移動中:YouTubeで講義動画を音声のみで視聴
- 昼休み:スマホに撮影した過去問の復習
- 子どもの寝かしつけ後:スマホに撮影した過去問の復習
- 家族旅行中:寝る前に問題集を撮影した画像を5分だけ確認
1日10分でも毎日続けた人と、週末に5時間まとめてやった人では、試験本番での記憶の定着量に差が出ます。
直し方
「今日は勉強する気がない」と思ったら、スマホで過去問を1問だけ見る。解かなくてもいい、見るだけでいい。「ゼロの日を作らない」ことだけを守ってください。
- スマホに過去問の問題集の写真を3〜5枚撮る(宅建業法から)
- その写真フォルダに「緊急用」と名前をつける
- やる気がゼロの日は、そのフォルダを1枚開くだけでOK
✅ 隙間時間を最大化するスマホ撮影学習法はこちらで紹介しています。
→ 工場勤務しながら宅建に独学合格|朝4時のスケジュール10ヶ月分を完全公開
独学で宅建の勉強を続けるべきか、通信講座に切り替えるべきか

ここまで読んで、「自分はどっちなんだろう」と思った方のために、判断基準をはっきり書きます。
独学を続けていい人
宅建の勉強を、独学で続けても大丈夫な人の特徴は以下のとおりです。
この条件に当てはまるなら、環境を変える前にやり方を変える方が先です。通信講座に1〜2万円かけても、勉強法が同じなら結果は変わりません。
通信講座を検討すべき人
反対に以下の条件に当てはまる場合は、通信講座の受講を検討しましょう。
この条件に当てはまるなら、独学の継続よりも質問できる環境・強制力のある仕組みの方が合っています。
✅ 通信講座の比較・選び方はこちら(準備中)
2回目以降の宅建受験で意識すべきこと

「1回落ちた」。これは最大の資産です。
なぜなら、試験本番を経験しているから。
- 試験の時間配分がわかっている
- 問題の出され方を体感している
- 「あと何点」で落ちたかを知っている
初受験の人にはない、圧倒的なアドバンテージを持っています。
前年のテキストをそのまま使っていないか
再受験者が見落としがちなのが、テキストの年度です。
宅建試験は毎年法改正の影響を受けます。前年に購入したテキストは、その時点では正しくても、翌年の試験では出題の前提が変わっている箇所が出てきます。
「勉強したのに本番で見たことのない問題が出た」という場合、法改正への対応ができていないことが原因のケースがあります。
テキストは受験年度版を必ず使う。中古や前年版で節約しようとすると、その節約が点数に直結するリスクがあります。
✅ どのテキストを選ぶか迷っている方はこちら
前回の得点を科目別に振り返る
| チェック項目 | 判断 |
|---|---|
| 宅建業法が16点以下 | → 宅建業法の強化が最優先 |
| 権利関係が6点以下 | → 頻出テーマに絞って基礎固め |
| 法令上の制限が4点以下 | → 暗記の精度を上げる |
| 全体で30点以上取れていた | → あと5点は「宅建業法の精度UP」で十分届く |
たとえば「全体で33点だった」という方は、宅建業法を15点→18点に上げるだけで合格圏内に入れる計算になります。「全科目を底上げする」より「宅建業法だけ集中して仕上げる」方が、時間対効果が格段に高い。
過去問に「慣れすぎた」場合
2回目以降の受験者がよくハマるのが、過去問の答えを覚えてしまっている状態。
「この問題、答えは3だな」と問題文を読み切る前にわかってしまう。
これでは演習の意味がありません。
対策は2つ。
- 各選択肢が「なぜ○なのか」「なぜ×なのか」を口で説明する(答えの暗記ではなく根拠の理解)
- 市販の予想模試を使って、初見の問題に触れる(日建学院・LEC・TACなど複数社がおすすめ)
①をやらずに②だけこなしていると、本番で見慣れない切り口の問題に出会ったとき、答えが出てきません。「3番が正解だとわかる」のと「3番が正解である根拠を言える」はまったく別の状態です。
まとめ:受からないのは「才能」のせいじゃない
もう一度、5つの共通点を整理します。
| # | 共通点 | 直し方 |
|---|---|---|
| ① | 宅建業法を完璧にしていない | 全肢の根拠を声に出して説明できるまで繰り返す |
| ② | テキストを全部覚えようとする | 過去問→テキストの順で、よく出る論点に絞る |
| ③ | テキスト→問題集の順番で勉強 | 問題集→解説→テキストの逆順に変える |
| ④ | 科目の順番を間違えている | 宅建業法→民法→法令→税の順番で |
| ⑤ | 勉強ゼロの日がある | スマホで1問でもいい。途切れさせない |
受からない理由は「頭の良さ」ではありません。「やり方」です。
私は工業高校卒で、大学にも進学していません。高校時代の成績はクラス40人中35番目。勉強が得意だったわけでも、法律の知識があったわけでもありません。工場で15年働き、子育てをしながら、朝4時〜6時の2時間だけで勉強しました。
ただ、戦略を間違えなかった。それだけです。
この記事を読んで、自分に当てはまる共通点が見つかった方へ。
今日から1つだけ、直してください。
5つ全部を一気に変えようとしなくていい。1つ変えれば、勉強のリズムが変わります。リズムが変われば、点数が変わります。点数が変われば、合格が見えてきます。
✅ テキスト選びで迷っている方はこちら → 【実体験】宅建テキストはトリセツ一択!独学45点合格者が全教材を正直レビュー
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