「都市計画法の勉強を始めたけど、用途地域が全然覚えられない」
「やっとの思いで13種類を覚えたのに、今度は建築基準法の用途制限の表を見て絶望した」
「第一種とか第二種とか、専用がついたりつかなかったり。もう何が何だか分からない」
法令上の制限でつまずく人の多くが、ここで止まります。
縦に13種類、横に建物の種類がずらりと並んだ、あの一覧表。全部覚えろと言われているように見えて、心が折れますよね。
結論から書きます。丸暗記しなくて大丈夫です。 2つの軸で考えれば、13種は自動的に整理されます。そして用途制限も、頻出の項目を押さえるだけで問題の大半は解けます。
こんにちは、ゆうです。群馬県の自動車部品メーカーで工場勤務をしながら、独学で2024年度の宅建試験に一発合格しました(自己採点45点/合格基準点37点)。法令上の制限は8問中6点。満点は狙わず、確実に取れるところだけ取る方針でした。
この記事では、その「確実に取れるところ」の作り方を書きます。
1. 用途地域13種は、2つの軸で整理できる

まず前提として、用途地域は全部で13種類あります。これを1つずつ覚えようとするから苦しくなります。
軸1:住居系・商業系・工業系の3グループ
| 系統 | 数 | 性格 |
|---|---|---|
| 住居系 | 8種 | 静かさ重視。工場は基本NG |
| 商業系 | 2種 | にぎやか。ほぼ何でも建てられる |
| 工業系 | 3種 | 工場OK。住居の制限あり |
8+2+3で13です。まずこの数を押さえてください。
- 住居系(8種):第一種低層住居専用、第二種低層住居専用、田園住居、第一種中高層住居専用、第二種中高層住居専用、第一種住居、第二種住居、準住居
- 商業系(2種):近隣商業、商業
- 工業系(3種):準工業、工業、工業専用
軸2:「専用」がつくかどうか
次がポイントです。「専用」がつく地域ほど、制限が厳しくなります。
| 地域 | 制限の強さ |
|---|---|
| 第一種低層住居専用地域 | 最も厳しい(コンビニも建てられない) |
| 第一種住居地域(専用なし) | だいぶ緩い(3,000㎡以下の店舗もOK) |
「専用」という言葉は、その用途だけのための地域という意味です。住居専用なら住むための地域なので、余計なものは建てられません。工業専用なら工場のための地域なので、住宅すら建てられません。
この2軸が分かると、「この建物はこの地域に建てられるか」を考えて解けるようになります。
2. 解くときの2ステップ

実際の問題では、この順番で判断します。
たとえば「第一種低層住居専用地域に飲食店を建てられるか」なら、住居系で、しかも専用がつく、しかも第一種。かなり厳しい地域だと分かります。答えは×です。
逆に「商業地域にホテルを建てられるか」なら、商業系でほぼ何でも建てられるので○。
迷ったら、まず系統、次に専用の有無。 この2ステップで、知らない建物が出てきても推測できます。
3. 用途制限は「全部」を覚えない

用途地域が整理できたら、次は用途制限です。ここでも表を丸暗記してはいけません。脳のメモリが無駄になります。
用途制限|建物を選ぶと、建てられる地域が光ります
左から順に「静かな地域 → にぎやかな地域 → 工場の地域」。どこから建てられるようになるかを見てください。
住宅が建てられないのは工業専用地域だけです。「住居系以外は建てられない」と思い込むと落とします。
第一種中高層住居専用地域から準工業地域まで。低層住居専用・田園住居と、工業・工業専用では建てられません。大学と病院はセットで覚えます。
第一種住居地域から準工業地域まで。両端(低層・中高層の専用地域と、工業・工業専用)が×です。第一種住居地域は3,000㎡以下という面積要件つき。
第二種住居地域から建てられます。「住居系では一切不可」は誤りです。境界線は第一種住居地域と第二種住居地域の間。住宅が建てられない工業専用地域でも、カラオケボックスは建てられます。
商業地域と準工業地域だけです。同じ「商業」でも、近隣商業地域では建てられません。
近隣商業・商業・準工業の3つだけ。準住居地域では、客席200㎡未満のものなら建てられます。
※ 建築基準法 別表第二に基づく主要なものです。詳細な条件は最新のテキストでご確認ください。
試験で狙われるのは、ほぼ決まっています。頻出の3つから押さえてください。
① カラオケボックス・マージャン店
建てられるのは、第二種住居地域からです。
| 建てられる | 第二種住居、準住居、近隣商業、商業、準工業、工業、工業専用 |
|---|---|
| 建てられない | 第一種低層住居専用、第二種低層住居専用、田園住居、第一種中高層住居専用、第二種中高層住居専用、第一種住居 |
ここで注意してほしいのが、「住居系では一切建てられない」は誤りだということです。第二種住居地域と準住居地域では建てられます。
境界線は第一種住居地域と第二種住居地域の間です。「第一種住居地域にカラオケボックスを建てられる」という選択肢は誤りになります。
もう1つ面白いのが、工業専用地域では建てられることです。住宅は建てられないのに、カラオケボックスはOK。ここも狙われます。
② ホテル・旅館
建てられるのは、第一種住居地域から準工業地域までです。
| 建てられる | 第一種住居(3,000㎡以下)、第二種住居、準住居、近隣商業、商業、準工業 |
|---|---|
| 建てられない | 低層住居専用(第一種・第二種)、田園住居、中高層住居専用(第一種・第二種)、工業、工業専用 |
ポイントは両端が×だということです。静かさを守る低層・中高層の専用地域ではダメ。工場のための工業・工業専用でもダメ。真ん中の地域でだけ建てられます。
第一種住居地域の3,000㎡以下という面積要件も、そのまま問われます。
③ キャバレー・ナイトクラブ
建てられるのは、商業地域と準工業地域だけです。
風俗営業にあたるため、最も制限が緩い地域にしか建てられません。近隣商業地域では建てられない点に注意してください。「商業」とつく地域でも、近隣商業はダメです。
4. 覚えるべき「境界線」はこれだけ

3つの建物を見ると、共通の考え方が見えてきます。どこからOKになるか、という境界線だけを覚えることです。
| 建物 | 境界線 |
|---|---|
| 住宅 | 工業専用地域だけ× |
| 大学・病院 | 第一種中高層住居専用から準工業まで○ |
| ホテル・旅館 | 第一種住居から準工業まで○(第一種住居は3,000㎡以下) |
| カラオケボックス | 第二種住居から○ |
| キャバレー | 商業・準工業だけ○ |
この順番で並べると、静かな地域から順に、建てられるものが増えていく構造が見えます。用途地域は「静かさの序列」で並んでいて、建物はその序列のどこから登場するかが決まっているだけです。
表を13×数十マス覚えるのではなく、建物ごとに「どこから」を1つ覚える。 これなら現実的です。
5. 私が実際に使っていた覚え方【3ステップ】

ここからは、私が本番まで使っていた具体的な手順を書きます。表を覚えるのではなく、端から×の数を数えるやり方です。
ステップ1:13種の並び順を、そらで書けるようにする
まずこれが土台です。左から順に、何も見ずに書けるようにしてください。
一低専 → 二低専 → 田園住居 → 一中専 → 二中専 → 一住 → 二住 → 準住 → 近商 → 商業 → 準工 → 工業 → 工専
紙に10回も書けば定着します。この並びさえ頭にあれば、あとは数えるだけになります。
ステップ2:「商業地域に向かって緩くなる」とイメージする
次に、全体の構造です。
左端(第一種低層住居専用地域)と右端(工業専用地域)が最も厳しく、真ん中の商業地域に向かうほど緩くなります。
- 左から商業地域へ → 住環境の保護が緩み、建てられるものが増えていく
- 右から商業地域へ → 工場向けの制限が緩み、人が過ごす施設が建てられるようになる
商業地域がほぼ何でも建てられるのは、この構造の真ん中にあるからです。両端が厳しく、中央が緩い。この山の形をイメージしてください。
ステップ3:建物名の文字数で、端からの×を数える
ここが実際の解法です。建物名を2つに分けて、その文字数だけ両端から×をつけます。
| 建物 | 左から | 右から | 結果 |
|---|---|---|---|
| 大学・病院 | 「大学と」=3文字 → 左3つ× | 「病院」=2文字 → 右2つ× | 一中専〜準工が○ |
| ホテル・旅館 | 「ホテル行く」=5文字 → 左5つ× | 「旅館」=2文字 → 右2つ× | 一住〜準工が○ |
| カラオケボックス | 「カラオケする」=6文字 → 左6つ× | 右は×なし | 二住〜工専が○ |
建物名の文字数で、端から×を数える
※ ○が3つ以下の建物(キャバレー・映画館・住宅)は、数えずに○のほうを覚えたほうが早いです。
やり方はこうです。たとえばホテルなら、左端から5つ(一低専・二低専・田園住居・一中専・二中専)に×。右端から2つ(工業・工専)に×。残った第一種住居〜準工業が○です。実際の答えと一致します。
カラオケボックスは右端まで○なので、左から6つだけ数えます。第一種住居地域までが×で、第二種住居地域から○です。
語呂で位置を覚えるのではなく、数で覚える。 これが13種の並びを土台にする意味です。
店舗の面積制限も、同じ構造で並んでいます
ここまで建てられるかどうかの○×を見てきましたが、店舗には面積の制限もあります。「この地域なら何㎡まで」という条件です。
これも覚え方は同じで、左に行くほど小さく、右に行くほど大きくなります。
第二種低層住居専用で150㎡ → 第一種中高層で500㎡ → 第二種中高層で1,500㎡ → 第一種住居で3,000㎡ → 第二種住居で10,000㎡
数字そのものは違いますが、並び順は2章で見た構造とまったく同じです。商業地域に向かって緩くなるというルールが、面積にも当てはまっているだけです。
なので、6つの数字をバラバラに暗記する必要はありません。「右に行くほど大きい」と分かっていれば、順番で思い出せます。 迷ったら、その地域が13種の並びのどのあたりかを考えてください。
数えるより早いもの
一方で、○が少ない建物は○のほうを覚えたほうが早いです。
- キャバレー:商業・準工業の2つだけ○
- 映画館(200㎡以上):近隣商業・商業・準工業の3つだけ○
- 住宅:工業専用だけ×
×を数えるか、○を覚えるか。○が3つ以下なら○を覚える、と決めておくと迷いません。
6. この3つで、問題の7割は解けます

すべての建物を覚える必要はありません。カラオケ・ホテル・キャバレーの3つと、住宅・大学病院の境界線。これだけで用途制限の問題の大半に対応できます。
残りは、出たら仕方ないと割り切ってください。法令上の制限は8問です。満点を狙う科目ではありません。私も本番は8問中6点でした。取れるところを確実に取るほうが、全体の点数は伸びます。
今日、過去問を5問解いてください
分類が頭に入ったら、今日のうちに用途制限の問題を5問解いてみてください。 分野別過去問の法令上の制限に、まとまって入っています。
解くときは、必ず2ステップで判断してください。系統を見る、専用の有無を見る。この手順を体に入れると、見たことのない建物が出てきても推測できるようになります。
7. まとめ:13種を覚えるのではなく、構造を覚える

- 用途地域13種は「住居系8・商業系2・工業系3」で整理し、「専用」がつくほど制限が厳しいと押さえる
- 解くときは、系統 → 専用の有無の2ステップ。知らない建物でも推測できる
- 用途制限は全部覚えない。カラオケボックスは第二種住居から、ホテル・旅館は第一種住居から準工業まで、キャバレーは商業と準工業だけ
- 覚え方は、13種の並びをそらで書けるようにして、建物名の文字数で端から×を数える
- ○が3つ以下の建物は○を覚える。店舗の面積制限も「右に行くほど大きい」という同じ構造
用途地域は、暗記量が多いように見えて、実は静かさの序列という1本の構造でできています。そこさえ掴めば、表を見る目が変わります。