「8種制限、35条、37条……覚えることが多すぎて頭がパンクしそう」
- テキストを開いても、似たような数字とルールが並んでいて、どこから手をつければいいかわからない
- やっと覚えたと思っても、翌週の過去問でまた同じ問題を間違える
- 「自分は本当に頭が悪いのかも」「他の人はどうやって覚えてるんだろう」と、夜中にスマホで「8種制限 覚え方」と検索してしまう。
宅建業法を勉強していると、こんな経験ありませんか?
結論から言います。混乱する原因はあなたの頭ではなく、「似ている部分」と「違う部分」を分けて整理していないからです。
整理の仕方さえわかれば、8種制限は得点源に変わります。
この記事では、工業高校卒・成績下位の私が宅建業法で20点満点を取れた整理法を正直にお伝えします。「暗記が苦手で8種制限が覚えられない」と諦めかけている人に、特に読んでほしい内容です。
- 2024年度宅建試験に独学で一発合格(自己採点45点/合格点37点)
- 宅建業法は20点満点
- 最終学歴:地元の工業高校(成績は下から5番目くらい)
- 工場勤務15年以上・子育て中のパパ(娘2人)
- FP3級→FP2級→宅建士を段階的に独学取得
- 勉強時間:朝4時〜6時の2時間×10ヶ月(10ヶ月のスケジュール詳細はこちら)
X(旧Twitter)では、宅建合格後の活かし方(副業・実生活)を発信しています。「合格したらどんな世界が待っているか」が気になる方はぜひ → @Yuta_blo
この記事でわかること
- 8種制限の全体像と「なぜ混乱するのか」の原因
- 宅建業法20点満点の合格者が実際に使った覚え方
- 35条書面と37条書面の違いを一発で理解する方法
- 本試験で100%正解するためのセルフチェック法
そもそも8種制限とは?【30秒で理解】

8種制限とは、宅建業者が自ら売主となって、宅建業者でない一般消費者に不動産を売る場合のルールです。
適用される場面・されない場面
ここが本試験で最頻出のひっかけポイントです。
| パターン | 売主 | 買主 | 8種制限 |
|---|---|---|---|
| ① | 宅建業者 | 一般消費者 | 適用される ✅ |
| ② | 宅建業者 | 宅建業者 | 適用されない ❌ |
| ③ | 一般人 | 一般消費者 | 適用されない ❌ |
| ④ | 一般人 | 宅建業者 | 適用されない ❌ |
ポイントは「業者間取引には適用されない」。
たとえば「業者A社が、業者B社に手付金300万円(代金の30%)を受け取って売却した」というケース。買主が業者B社なので、8種制限は一切適用されません。「20%超だからアウト」と引っかかる受験生が毎年います。
「売主が業者、買主が素人」この組み合わせのときだけ発動するルール、と覚えてください。
なぜ制限があるのか
不動産取引のプロ(宅建業者)と素人(一般消費者)では、知識と経験に圧倒的な差があります。
この差を悪用されないように、素人の買主を守るための8つのルールが設けられています。
8つの制限一覧
| # | 制限 | ざっくり言うと |
|---|---|---|
| ① | 自己の所有に属しない物件の売買契約の制限 | 他人の物を勝手に売る契約はダメ |
| ② | クーリング・オフ制度 | 事務所等以外で契約した場合、8日間は撤回OK |
| ③ | 損害賠償額の予定等の制限 | 違約金は代金の20%まで |
| ④ | 手付の額の制限等 | 手付金は代金の20%まで。手付放棄で解除OK |
| ⑤ | 手付金等の保全措置 | 一定額を超える手付金は保全が必要 |
| ⑥ | 契約不適合責任の特約の制限 | 買主に不利な特約はダメ。通知期間は引渡しから2年以上 |
| ⑦ | 割賦販売契約の解除等の制限 | 分割払いの遅れだけで即解除はダメ |
| ⑧ | 所有権留保等の禁止 | 代金の30%超を受け取ったら所有権を移転しろ |
この表を丸暗記する必要はありません。 大事なのは「グループ分け」です。
8種制限の覚え方|3つのグループに分ける

8つを一気に覚えようとするから混乱します。3つのグループに分けると頭の中が整理されます。
グループA:お金に関する制限(4つ)
| 制限 | 数字 |
|---|---|
| ③ 損害賠償額の予定 | 違約金MAX → 代金の20% |
| ④ 手付の額の制限 | 手付金MAX → 代金の20% |
| ⑤ 手付金等の保全措置(未完成) | 代金の5%超 または 1,000万円超で必要 |
| ⑤ 手付金等の保全措置(完成物件) | 代金の10%超 または 1,000万円超で必要 |
| ⑧ 所有権留保の禁止 | 代金の30%超受領 → 所有権を移せ |
ポイント:「20%」「5%/10%」「30%」。数字を3つ覚えるだけ。
グループB:契約の公平性に関する制限(3つ)
| 制限 | 覚え方 |
|---|---|
| ② クーリング・オフ | 事務所等以外での契約 → 8日以内なら撤回OK |
| ⑥ 契約不適合責任の特約 | 買主に不利な特約 → NG。通知期間は引渡しから2年以上 |
| ⑦ 割賦販売の解除制限 | 分割払いの遅れ → 30日以上の催告が必要 |
ポイント:「素人の買主が不利にならないようにする」が共通の趣旨。
グループC:そもそも売っていいのか問題(1つ)
| 制限 | 覚え方 |
|---|---|
| ① 他人物売買の制限 | 他人の物 → 原則売買契約NG |
一番混乱しやすい「他人物売買」の覚え方

私が8種制限で一番混乱したのは、この「他人物売買の制限」でした。
なぜ混乱するか
民法(権利関係)では他人物売買はOKなんです。
でも宅建業法では原則NG。
同じ「他人物売買」なのに、科目によって結論が真逆。ここで頭がバグります。
具体的な場面でイメージする
たとえば、こんなケースを考えてみてください。
場面: 業者Aは、地主Bが所有する土地を「将来Bから買い取って転売しよう」と考えている。まだBとは何の契約も結んでいない段階で、業者Aは一般消費者Cに「この土地、買いませんか?」と売買契約を結んだ。
これが典型的なNGパターンです。
業者Aは、まだ自分のものでもない土地を、素人Cに売っています。Cからすれば「ちゃんと手に入る保証ない土地に、なぜ大金を払うのか?」という話。だから宅建業法は原則NGにしています。
私の覚え方
民法 → 原則OK(当事者間の自由)
宅建業法 → 原則NG(素人の買主を守るため)
「宅建業法は消費者保護のための法律」 という大原則に立ち返ればシンプルです。
例外:取得が確実な場合はOK
宅建業者がすでに地主Bと売買契約を結んでいる(または予約契約をしている)場合は、一般消費者Cへの転売契約もOKです。
例外OKの場面: 業者Aが地主Bと「この土地を5,000万円で買います」という売買契約を締結済み。引渡しはまだだが、契約は成立している状態で、業者Aが一般消費者Cと転売契約を結んだ。 → これはOK。業者Aが確実に土地を取得できるから。
ただし、停止条件付契約(「○○が成立したらAが買う」という条件付き)は、取得が確実とはいえないためNG。
「原則NGだけど、取得が確実ならOK」この一文と上の場面イメージを覚えれば、他人物売買は解けます。
手付金の数字を整理する|ごちゃごちゃになる原因と対策

もう1つ私が苦労したのが、手付金まわりの数字です。
混乱する原因
「手付の額の制限」と「手付金等の保全措置」で、似たような数字が2つ出てくるからです。
| 制限 | 数字 | 意味 |
|---|---|---|
| 手付の額の制限 | 代金の20% | 手付金として受け取れる上限 |
| 手付金等の保全措置(未完成) | 代金の5%超 または 1,000万円超 | 保全措置が必要になるライン |
| 手付金等の保全措置(完成物件) | 代金の10%超 または 1,000万円超 | 保全措置が必要になるライン |
具体例で確認する
ここを場面でイメージできるかが、正答率を分けます。
ケース1:完成済みのマンション3,000万円、手付金300万円
- 手付の額:300万円 ÷ 3,000万円 = 10% → 20%以下なのでOK
- 保全措置:完成物件で10%超 or 1,000万円超 → 300万円はちょうど10%(10%超ではない)なので、保全措置不要
ケース2:未完成のマンション3,000万円、手付金200万円
- 手付の額:200万円 ÷ 3,000万円 = 約6.7% → 20%以下なのでOK
- 保全措置:未完成で5%超 or 1,000万円超 → 200万円は約6.7%(5%超)なので、保全措置必要
ケース3:完成物件5,000万円、手付金1,200万円
手付の額:1,200万円 ÷ 5,000万円 = 24% → 20%超なのでアウト(そもそも受領できない)
「○%超」というのは、ぴったり○%は含まない点に注意。「10%超」は10.01%以上のことです。本試験ではここで落とす受験生が多いです。
覚え方
① まず「手付金は代金の20%まで」を覚える(上限)
② 次に保全措置のラインを覚える
未完成 → 5%超 または 1,000万円超
完成 → 10%超 または 1,000万円超
③ 「未完成の方がリスクが高い → 数字が小さい(5%)」と覚える
「未完成=リスク高い=基準が厳しい(5%)」 この因果関係で覚えると、どっちが5%でどっちが10%か迷わなくなります。
正直、過去問を20問くらい繰り返すと自然に定着しました。 暗記が苦手な人は、理屈で覚えるより問題を解きながら体に染み込ませる方が早いです。
クーリング・オフの例外|「事務所等」を場面で覚える

クーリング・オフは「事務所等以外で契約したら8日間は撤回OK」がルールですが、例外がやたら出題されます。ここは場面イメージで覚えるのが一番です。
クーリング・オフできない場面(よく出る5パターン)
| パターン | 場面 | 撤回できるか |
|---|---|---|
| ① 業者の事務所 | 業者の本店・支店で契約 | できない |
| ② 土地に定着した案内所(モデルルーム等) | マンションの常設モデルルームで契約 | できない |
| ③ 買主が指定した自宅・勤務先 | 「自宅で説明してほしい」と申し出て、自宅で契約 | できない |
| ④ 書面告知から8日経過 | 業者から書面でクーリング・オフの説明を受けて9日目 | できない |
| ⑤ 引渡し&代金全額支払い完了 | 物件の引渡しを受け、代金も全額払った後 | できない |
場面で見分けるトレーニング
| 場面 | クーリング・オフ |
|---|---|
| テント張りの仮設案内所で契約した | できる(土地に定着していない) |
| モデルルーム(建物として土地に定着)で契約した | できない |
| 業者から喫茶店に呼び出されて契約した | できる(業者が指定した場所だから) |
| 買主が「自宅で説明してほしい」と頼んで、自宅で契約した | できない(買主が指定した場所だから) |
| 買主の自宅に業者がアポなし訪問してその場で契約した | できる(買主が指定していない) |
「自宅・勤務先は、誰が指定したかで結論が逆転する」これが本試験で問われます。
書面告知の落とし穴
クーリング・オフは「書面で告知された日から8日以内」が期限です。口頭での説明は告知になりません。
つまり業者が口頭で「クーリング・オフできますよ」と言っただけでは、8日のカウントは始まりません。書面を交付しない限り、買主はいつまでも撤回できます。
ここも本試験のひっかけポイントです。
35条書面と37条書面の違い|「概要」と「内容」を具体例で理解する

8種制限と並んで混乱するのが、35条書面(重要事項説明書)と37条書面(契約書面)の違いです。
最大の混乱ポイント
私が一番混乱したのは、契約不適合責任の履行に関して講ずる措置の記載方法の違いでした。
- 35条書面 → 「概要」を記載
- 37条書面 → 「内容」を記載
「概要」と「内容」って、何が違うの?ここは本当に何回も調べました。
具体例で見る「概要」と「内容」の違い
たとえば、契約不適合責任に関する保証保険に業者が加入していたとします。
35条書面(概要)の記載例: 「売主は、契約不適合責任の履行に関する措置として、保証保険契約を締結する予定です」 → 「やります」「やりません」の事実だけを書く
37条書面(内容)の記載例: 「売主は、○○損害保険株式会社との間で、保証期間2年、保証金額○○○○万円を限度とする保証保険契約を締結する。保証範囲は、建物の構造耐力上主要な部分の瑕疵に限る」 → 保険会社名・期間・金額・対象範囲など、具体的な取り決めを書く
この違いがピンとくれば、35条と37条の違いはほぼ理解できたと思っていいです。
私の整理法
35条 = 概要(ざっくり)
→ 「制度があるか・ないか」の事実だけを記載
37条 = 内容(具体的)
→ 「どんな条件で?」「期間は?」「範囲は?」具体的な取り決めを記載
35条は「契約前に確認する書類」なので、まだ細かい条件は決まっていない。だから「概要」でOK。
37条は「契約後に交わす書類」なので、具体的な取り決めが必要。だから「内容」を書く。
| 比較項目 | 35条書面 | 37条書面 |
|---|---|---|
| タイミング | 契約前 | 契約後(遅滞なく) |
| 目的 | 重要事項を事前に説明する | 契約内容を書面で確認する |
| 説明義務 | あり(宅建士が説明) | なし(交付のみ) |
| 記載レベル | 概要(ざっくり) | 内容(具体的) |
| 宅建士の記名 | 必要 | 必要 |
| 交付相手 | 買主・借主等 | 契約の両当事者 |
もう1つの整理法:「片方にしかないもの」だけ覚える
35条と37条の記載事項を全部覚えようとすると量が多すぎます。
「35条にしかないもの」と「37条にしかないもの」だけ覚えて、残りは「両方にある」と判断する方が効率的です。
| 35条のみ | 37条のみ |
|---|---|
| 飲用水・電気・ガスの供給施設、排水施設 | 物件の引渡しの時期 |
| 法令上の制限の概要 | 移転登記の申請の時期 |
| 私道負担に関する事項 | 代金以外の金銭の授受の時期(額・目的は両方) |
| 既存建物の状況調査の結果の概要 | 天災その他不可抗力による損害負担の定め |
| 手付金等の保全措置の概要 | (※両方にあるものに注意:契約解除、損害賠償額の予定、ローン不成立時の措置) |
- 「代金以外の金銭」自体は両方に記載が必要。「授受の時期」だけが37条のみです。
- 「契約解除」「損害賠償額の予定」「ローン不成立時の措置」は、定めがあれば両方に記載が必要。「37条のみ」と誤解しやすい論点です。
本試験で100%正解するためのセルフチェック法

宅建業法は全20問。宅建に合格するためには、ここで最低16点、理想は18点以上が必要です。
8種制限と35条・37条は毎年確実に出題されます。 ここを落とすのは本当にもったいない。
私は試験前に、以下のセルフチェックで100%の状態を確認していました。
8種制限セルフチェック
- [ ] 「売主が業者・買主が素人」のときだけ適用されると即答できるか?
- [ ] 8つの制限を全部言えるか?
- [ ] 各制限の「数字」を即答できるか?(20%、5%、10%、30%、8日、2年)
- [ ] 他人物売買が「民法はOK、宅建業法は原則NG」と説明できるか?
- [ ] 他人物売買の例外(取得が確実な場合はOK)を理解しているか?
- [ ] 手付金の「上限額」と「保全措置のライン」を混同していないか?
- [ ] クーリング・オフの例外(事務所等、買主指定の自宅、書面告知から8日、引渡し&全額支払い)を5つ言えるか?
- [ ] 「自宅で契約=誰が指定したかで結論が変わる」と説明できるか?
35条・37条セルフチェック
- [ ] 35条=契約前、37条=契約後と即答できるか?
- [ ] 「概要」と「内容」の違いを、契約不適合責任を例に説明できるか?
- [ ] 35条のみの記載事項を3つ言えるか?
- [ ] 37条のみの記載事項を3つ言えるか?
- [ ] 「代金以外の金銭」は両方記載・「時期」だけ37条のみと言えるか?
- [ ] 説明義務は35条のみと言えるか?
全部にチェックが入れば、本試験で8種制限・35条37条は100%取れます。
まとめ:なぜ「そのルールがあるのか」を考えよう!

| 覚え方 | 内容 |
|---|---|
| ①適用範囲 | 売主=業者・買主=素人のときだけ。業者間取引は適用なし |
| ②グループ分け | A.お金(4つ)B.公平性(3つ)C.売っていいか(1つ) |
| ③他人物売買 | 民法=OK / 宅建業法=原則NG(消費者保護)。取得確実なら例外OK |
| ④手付金の数字 | 上限20%、保全:未完成5%超・完成10%超(リスク高い方が数字が小さい) |
| ⑤クーリング・オフ | 事務所等・買主指定の自宅・告知から8日・引渡し&全額支払いは不可 |
| ⑥35条vs37条 | 35条=契約前=概要 / 37条=契約後=内容 |
| ⑦セルフチェック | 数字→例外→具体例の順で確認 |
宅建業法は暗記科目と思われがちですが、「なぜそのルールがあるのか」を理解すると、自然に覚えられます。
8種制限の根底にあるのは「消費者保護」。この1つの原則から、8つの制限すべてが説明できます。
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