「宅建って、偏差値でいうとどのくらいなんだろう」
「自分の学力で受かる試験なのか知りたい」
結論から書きます。宅建の難易度は、偏差値でいうと55〜57。大学入試にあてはめると、日東駒専〜成成明学あたりのレベルと言われています。
ただ、この数字を知っても、たぶん不安は消えません。
私は工業高校の出身で、大学には行っていません。高校時代の成績はクラスで下から5番目くらいでした。その私が、独学10か月で宅建に一発合格しています。自己採点は45点(その年の合格点は37点)。
この記事では、偏差値の数字そのものよりも、その数字がどこまで当てになるのか、そして学力に自信がない人間が実際にどう合格したのかを書きます。
- 2024年度宅建試験に独学で一発合格(自己採点45点/合格点37点)
- 科目別:宅建業法20/20、権利関係12/14、法令上の制限6/8、税その他7/8
- 工場勤務15年以上・子育て中のパパ(娘2人)
- 勉強時間は朝4時〜6時の2時間
- FP2級も独学で取得済み
この記事でわかること
- 宅建の偏差値・合格率・必要勉強時間を数字で理解できる
- FP2級・簿記・行政書士・社労士との難易度比較(実体験あり)
- 「偏差値の割に難しい」と感じる本当の理由
- 学歴に自信がなくても合格できる理由
※プロモーションを含みます。
宅建の偏差値は55〜57|大学でいうと日東駒専〜成成明学レベル
資格試験の難易度を偏差値に換算した場合、宅建はおおむね55〜57に位置づけられています。
大学入試にあてはめると、目安はこのあたりです。
資格試験の難易度を偏差値に換算した場合、宅建はおおむね55〜57に位置づけられています。
大学入試にあてはめると、目安はこのあたりです。
| 偏差値の目安 | 大学の例 |
|---|
| 55前後 | 日東駒専(日本大学・東洋大学・駒澤大学・専修大学) |
| 57前後 | 成成明学(成蹊大学・成城大学・明治学院大学) |
「思ったより低い」と感じた人もいれば、「自分には無理そうだ」と感じた人もいると思います。
ただ、どちらの受け取り方をした人にも、先に知っておいてほしいことがあります。この偏差値には、公式な裏づけがありません。
「資格の偏差値」に公式な根拠はない
大学入試の偏差値は、予備校が実施する模試の成績データをもとに算出されています。何万人が受けて、何点を取って、その中で自分がどこにいたか。母集団の得点分布があるから、統計として偏差値が出せます。
一方、宅建試験を実施している一般財団法人 不動産適正取引推進機構は、受験者の得点分布を公表していません。公表されているのは、受験者数・合格者数・合格率・合格判定基準点までです。
つまり、宅建という試験そのものの偏差値は、公式データからは計算できません。
では、ネット上でよく見かける「偏差値57」はどこから来ているのか。あれは民間のサイトが、合格率や必要勉強時間、試験範囲の広さなどから独自に算出した数字です。資格同士を比べるための便宜的な目安であって、大学入試の偏差値と同じ精度で並べられるものではありません。
ここを強調するのには理由があります。
「偏差値55の試験だから、偏差値55くらいの学力が必要」と読んでしまうと、判断を間違えるからです。
宅建は年齢・学歴・実務経験を問わず、誰でも受けられます。受験資格がないぶん、記念受験の人や、申し込んだものの勉強が間に合わなかった人も分母に入ります。その内訳は公表されていないので割合までは分かりませんが、合格率15〜18%が「真剣に対策した人の合格率」でないことは確かです。
数字が独り歩きしやすい試験だ、というのが私の実感です。
工業高校卒・クラスで下から5番目の私が45点を取った
ここからは、私自身の話をします。
私は地元の工業高校を出ていて、大学には進学していません。高校時代の成績はクラスで下から5番目くらい。家で勉強する習慣は、まったくありませんでした。
30代になってから、副業でWebライターを始めました。書くこと自体は続けられたのですが、資格を取ろうと決めたきっかけは、はっきりしています。
文字単価2円のクレジットカード案件で、テストライティングに落ちたことです。
落ちた理由を考えたときに、行き着いたのは「証明できるものが何もない」ということでした。専門領域を持ちたいとは思っていました。でも、自分がその分野を書けると示す材料が、履歴のどこにもなかった。
書ける人はいくらでもいます。その中で選ばれるには、差別化がいる。そう感じたのが宅建を受けた理由です。
いきなり宅建に挑んだわけではありません。順番はFP3級→FP2級→宅建です。
最初のFP3級は、合格率が高いと言われている試験です。ただ、実際に勉強を始めてみると範囲が広くて、「本当にそんなに受かる試験なのか」と疑いながら進めていました。
試験当日、帰宅してすぐに解答速報で答え合わせをしました。合格していると分かった瞬間、叫ぶくらい嬉しくて、そのまま妻に報告しています。
このとき「自分にもできる」と強く感じたことが、その後の10か月を支えました。
大学受験をしていないので、私には「本気で勉強して結果が出た」という記憶がそもそもありませんでした。それを30代で1つ作れたこと。学力そのものより、こちらのほうが効いたと思っています。
宅建の勉強は、朝4時から6時までの2時間。工場勤務なので夜は読めないと判断して、朝に固定しました。これを約10か月続けて、累計はおよそ600時間です。
10か月続けるためにやっていたことは、2つだけです。
起きたら、考える前に体を動かす。 私の場合はペットボトルのコーヒーに牛乳を少し入れて、カフェオレを作って飲むところから始めていました。中身は何でも構いません。布団の中で「今日はやるか、やらないか」を考える時間をゼロにするのが目的です。ここで考え始めると、たいてい二度寝します。
前の晩に、机にテキストを開いて置いておく。 朝の自分に判断をさせない。座ればもう始まっている状態にしておきます。
特別なことは、この2つ以外にしていません。
一番きつかったのは、法令上の制限に入ったとき
10か月のあいだに、一度だけやめかけた時期があります。法令上の制限に差し掛かったところです。
初めて見る知識と、初めて見る専門用語のオンパレードでした。不動産の実務経験がある方なら景色が違うのかもしれませんが、工場勤務の私にはどれも馴染みのない言葉で、読んでいるだけで本当に苦痛でした。何度もテキストを閉じたくなっています。
それでも続けられたのは、「宅建業法から権利関係まで来て、ここでやめたらもったいない」という気持ちだけでした。前向きな理由ではありません。
結果から言うと、2週間ほどで用語が馴染んで、苦痛ではなくなりました。
もし今、同じところで止まっている人がいたら、伝えたいのはこれです。あそこは能力の問題ではなく、単に慣れていないだけの期間でした。2週間だけ耐えれば景色が変わります。私にとっては、あそこが10か月で一番の踏ん張りどころでした。
模試では、一度も40点に届かなかった
模擬試験は9回受けました。点数は31点から39点のあいだ。9回とも40点に届いていません。
直前期はずっと不安でした。過去問はかなり解けるようになっていたのに、模試になると届かない。「このまま本番を迎えていいのか」と何度も思いました。
その状態で受けた本番が、45点です。
科目別の内訳はこうでした。
| 科目 | 配点 | 私の得点 |
|---|
| 宅建業法 | 20点 | 20点 |
| 権利関係(民法など) | 14点 | 12点 |
| 法令上の制限 | 8点 | 6点 |
| 税・その他 | 8点 | 7点 |
大学に行っていない人間が、偏差値55〜57と言われる試験で45点を取りました。地頭が良かったからではありません。宅建業法で満点を取れたのは、そこが暗記で満点を狙える科目だと分かって、時間を寄せたからです。
決めたのは学力ではなく、どの科目にどれだけ時間を使うかでした。冒頭で偏差値の数字は当てにならないと書いたのは、こういう意味です。
他の資格と比較ランキング|宅建はどの位置?
宅建の難易度を他の資格と比べてみます。
偏差値×合格率×勉強時間の比較
| 資格 | 偏差値(目安) | 合格率 | 勉強時間目安 |
|---|
| 司法書士 | 76〜78 | 約5% | 3,000時間 |
| 社労士 | 62〜65 | 約7% | 1,000時間 |
| 行政書士 | 60〜62 | 約10〜12% | 600〜800時間 |
| 宅建士 | 55〜57 | 約15〜18% | 300〜600時間 |
| 簿記2級 | 54〜58※ | 約20% | 200〜350時間 |
| FP2級 | 48〜53 | 約25〜40% | 150〜200時間 |
| 簿記3級 | 45 | 約40% | 50〜100時間 |
| FP3級 | 38〜40 | 約70〜80% | 30〜60時間 |
※簿記2級の偏差値は情報源によって54〜58と幅があり、宅建と難易度が近い資格として比較されることが多い。
出典:社労士試験 合格発表(厚生労働省) / 行政書士試験研究センター「試験結果」 / 日本FP協会「試験結果」 / 日本商工会議所「簿記受験者データ」
宅建は「中堅のやや上」。司法書士や社労士のような超難関ではないけれど、FP2級や簿記3級よりは明確に難しい位置にいます。簿記2級とは難易度が拮抗していますが、試験の性質(法律 vs 数字)が全く異なるため、どちらが難しいかは個人の得意不得意にもよります。
FP2級と宅建の比較(両方取った体感)
私はFP2級→宅建の順で取得しました。両方の体感を正直に書きます。
「難しかった」のは宅建。「キツかった」のはFP2級。
この2つは違います。
| 宅建 | FP2級 |
|---|
| 勉強期間 | 10ヶ月(1日2時間) | 3ヶ月(1日2時間) |
| 体感の難しさ | 高い(民法は「考えて解く」問題が多い) | 中程度(暗記が中心) |
| 体感のキツさ | そこまでキツくなかった | キツかった |
| キツさの理由 | FP2級で勉強が習慣化されていた | 6分野と範囲が広く、似た数字が多くて頭に入らない |
| 科目の特徴 | 「狭く深い」(民法の理解度が問われる) | 「広く浅い」(6分野×暗記中心) |
宅建の方が「試験としては難しい」。でもFP2級の後に受けたおかげで、勉強すること自体が習慣になっていたので、精神的にはラクでした。
逆に言えば、FP2級を先に取っておくと宅建の勉強がラクになります。
宅建の難しさを偏差値でいうと、FP2級の1.5〜2倍。ただし勉強を続けられる人なら、十分合格圏です。
行政書士・社労士との比較
宅建から上を見ると、行政書士と社労士があります。
| 比較ポイント | 宅建 | 行政書士 |
|---|
| 試験形式 | 4択のみ(50問) | 4択+記述式 |
| 主な科目 | 宅建業法・民法・法令制限 | 憲法・行政法・民法・商法 |
| 民法の深さ | 深い(でも出題範囲は限定的) | さらに深い+範囲が広い |
| 勉強時間 | 300〜600時間 | 600〜800時間 |
行政書士は宅建の「上位互換」ではなく、そもそも試験の方向性が違います。ただし、宅建の民法で鍛えた法的思考力は行政書士の勉強にも活きます。
社労士は合格率7%で、宅建の半分以下。勉強時間も1,000時間クラス。宅建とは難易度のレベルが違うので、同列に比較するものではありません。
宅建は「法律系資格の入り口」として、ステップアップの土台にもなる資格です。
宅建取得後に挑戦するべき資格を目的別に確認したい方は、以下の記事をチェックしてみましょう。
宅建が「偏差値の割に難しい」と感じる3つの理由
偏差値55〜57という数字と、実際に勉強したときの手応えは、かなりずれます。私がずれを感じた理由は3つありました。
① 合格点が毎年変わる(相対評価)
宅建は上位何%かが受かる相対評価の試験です。そのため合格判定基準点が毎年動きます。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 合格判定基準 |
|---|
| 令和7年度(2025年) | 245,462人 | 45,821人 | 18.7% | 33点 |
| 令和6年度(2024年) | 約24.1万人 | 約4.5万人 | 18.6% | 37点 |
| 令和5年度(2023年) | 約23万人 | 約4.1万人 | 17.2% | 36点 |
| 令和4年度(2022年) | 約22.6万人 | 約3.8万人 | 17.0% | 36点 |
出典:一般財団法人 不動産適正取引推進機構「試験実施概況」
令和7年度は33点まで下がりました。一方で令和6年度は37点。同じ35点でも、年によって合否が入れ替わります。
「何点取れば受かる」が事前に決まっていない。これは、勉強中のメンタルにじわじわ効いてきます。私が模試で39点を取っても安心できなかったのは、この構造があるからでした。
② 科目ごとに、やるべきことが違う
宅建は4科目ありますが、攻略法が科目ごとにまるで違います。
| 科目 | 配点 | 性質 |
|---|
| 宅建業法 | 20点 | 暗記で満点を狙える |
| 権利関係(民法) | 14点 | 理解と応用が必要 |
| 法令上の制限 | 8点 | 専門用語の暗記が中心 |
| 税・その他 | 8点 | 範囲は狭く暗記中心 |
先に書いたとおり、私が一度止まりかけたのは法令上の制限です。テキストにはこういう記述が並びます。
第一種低層住居専用地域では、建蔽率は3/10〜6/10、容積率は5/10〜20/10の範囲で定められ、建築できる建物は住宅・共同住宅・小規模な店舗兼住宅などに限られる
準防火地域内では、地階を除く階数が4以上、または延べ面積が1,500㎡を超える建築物は、耐火建築物または延焼防止建築物としなければならない
これが用途地域13種類ぶん続きます。読んでいるだけで眠くなりました。
順番については、宅建業法→民法→法令上の制限→税その他で進めています。もし法令上の制限を最初に持ってきていたら、途中でやめていたかもしれません。
③ 「覚えた」と「解ける」は別
テキストを読んで理解したつもりでも、問題になると手が止まります。特に民法です。
AはBに甲土地を売却したが、まだ登記を移転していない。その後、CがBから甲土地を購入し、先に登記を備えた。この場合、AはCに対して甲土地の所有権を主張できるか。
A・B・Cが同時に出てきて、しかも「悪意」のような日常語と意味の違う用語が混ざります(法律用語の「悪意」は「知っていた」という意味です)。
条文を覚えているだけでは足りず、誰が誰に何を主張できるのかを整理する必要があります。ここを面倒と感じるか、パズルとして面白いと感じるかで、民法の得点は変わります。私は後者だったので、権利関係で14点中12点を取れました。苦手なら、無理に伸ばさず他の科目で取り返す手もあります。
科目ごとの配点の考え方は、宅建の独学合格率は何%?でも触れています。点中12点取れました。苦手に感じる人もいれば、得意に感じる人もいる。ここは相性です。
まとめ:宅建は「本気でやれば受かる。でも本気でやらないと無理」
この記事で伝えたかったことを3点に絞ります。
- 宅建の偏差値55〜57に、公式な根拠はない。 機構が得点分布を公表していない以上、資格をまたいだ偏差値は民間の目安です。参考にはなりますが、自分が受かるかどうかの判定には使えません。
- 学歴は関係ない。 私は工業高校卒で大学に行っておらず、高校時代の成績はクラスで下から5番目でした。それでも45点で合格しています。宅建に受験資格がないのは、そもそもそういう試験だからです。
- 決まるのは「続けられるかどうか」。 1日2時間を10か月。私がやったのはそれだけです。模試では一度も40点に届きませんでした。それでも本番で45点を取れました。
もし「自分にもできそうだ」と少しでも思えたなら、今日やることは1つだけです。
テキストを1冊決めてください。
勉強法を調べ続けるより、1冊決めて開いたほうが早く進みます。
私は600時間かけました。たぶん、かけすぎです。
宅建業法で20点満点を取れたのは、そこが暗記で満点を狙える科目だと分かって、時間を寄せたからでした。逆に言えば、それに気づくまでが遠回りだったということです。
クレアールが配っている『宅建士試験 非常識合格法』は、まさにその考え方を1冊にしたものです。満点を取る必要はない、合格点から逆算して範囲を絞る。私が10か月かけて自分でたどり着いたのも、結局そこでした。
資料請求すると無料で届きます(市販価格1,760円・先着順)。講座に申し込む必要はありません。独学でいくと決めている人でも、読んでおいて損はないと思います。
あなたの状況に合わせた次のステップ
「宅建をやると決めた。何から始める?」 → 宅建の勉強は何から始める?独学一発45点合格者が教える最初の5ステップ
「独学で合格できるか不安…」 → 宅建は独学で受かる?合格率15%でも独学一発45点で合格した方法
「勉強スケジュールを知りたい」 → 工場勤務しながら宅建に独学合格|朝4時のスケジュール10ヶ月分を完全公開
「宅建を取る価値があるか知りたい」 → 宅建合格はすごい?|取得後に副業月収が2倍以上になった実体験
「テキストを選びたい」 → 【実体験】宅建テキストはトリセツ一択!独学45点合格者が全教材を正直レビュー
「宅建×FP2級の掛け合わせに興味がある」 → 宅建×FP2級のダブルライセンスで副業単価が上がった話