「宅建って、どんな問題が出るんだろう」
「何科目あって、どれくらい取れば受かるのか」
受験を考え始めると、まずここが気になると思います。
先に全体像を書きます。宅建試験は50問・4肢択一のマークシート、試験時間は2時間です。そして50問の中身は、科目ごとに大きく偏っています。一番多い宅建業法が20問あるのに対し、税に関する問題は3問しかありません。
この偏りを知らずに、テキストの1ページ目から順番に勉強を始めると、時間の使い方を間違えます。
こんにちは、ゆうです。群馬県の自動車部品メーカーで工場勤務をしながら、独学で2024年度の宅建試験に一発合格しました。自己採点45点(合格基準点37点)、宅建業法は20問すべて正解でした。ただし、最初から満点を狙っていたわけではありません。
この記事では、公式データで試験の中身を整理したうえで、私がどの科目で何点取る設計にしたかまで書きます。読み終える頃には、勉強の優先順位が決まっているはずです。
※この記事にはプロモーションを含みます。
1. 宅建試験の基本情報

まず、試験そのものの形式です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出題数 | 50問 |
| 形式 | 4肢択一式の筆記試験(マークシート) |
| 試験時間 | 午後1時〜午後3時(2時間) |
| 試験日 | 毎年1回、10月の第3日曜日 |
| 受験資格 | なし(年齢・学歴を問わず、国内在住なら誰でも) |
| 合格率 | 15〜18%前後 |
出典:一般財団法人 不動産適正取引推進機構「宅建試験の概要」
記述式や面接はありません。すべて4つの選択肢から1つを選ぶマークシートです。法律の資格試験と聞くと身構えますが、文章を書かされることは一度もありません。
なお、不動産会社に勤めていて登録講習を修了した人は、5問が免除されて45問・試験時間は午後1時10分からになります。これから受ける多くの人には関係のない制度ですが、参考書に「5問免除」と出てくるのはこのことです。
2. 出題範囲は7つの分野(公式の区分)

機構が公表している出題範囲は、次の7項目です。
- 土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること
- 土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること
- 土地及び建物についての法令上の制限に関すること
- 宅地及び建物についての税に関する法令に関すること
- 宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること
- 宅地及び建物の価格の評定に関すること
- 宅地建物取引業法及び同法の関係法令に関すること
出典:同機構「宅建試験のFAQ」
法律の条文のような書き方なので分かりにくいのですが、市販のテキストではこれを4つの科目にまとめて扱っています。次の章で整理します。
なお、出題の根拠になる法令は、試験実施年度の4月1日時点で施行されているものです。だから毎年テキストを買い替える必要があり、古い年度版を使うと法改正部分で失点します。
3. 配点と問題構成|50問の内訳

例年の出題数は、次のように配分されています。
| 科目 | 出題数 | 配点の割合 | テキストでの呼び方 |
|---|---|---|---|
| 宅建業法 | 20問 | 40% | 宅建業法 |
| 権利関係(民法など) | 14問 | 28% | 権利関係 |
| 法令上の制限 | 8問 | 16% | 法令上の制限 |
| 税・その他 | 3問 | 6% | 税その他 |
| 5問免除科目(統計・土地建物・住宅金融支援機構・景品表示法) | 5問 | 10% | 免除科目 |
| 合計 | 50問 | 100% |
※科目ごとの出題数は機構が公式に公表しているものではなく、例年の傾向です。年度によって1問程度の増減があります。
1問1点で、50点満点。マークシートなので部分点はありません。
ここで注目してほしいのが、宅建業法だけで全体の4割を占めることです。一方で、税に関する問題は3問しかありません。勉強時間を科目ごとに均等に配分するのは、明らかに損な使い方です。
そしてもう一つ。多くの人がつまずくのは、配点2番目の**権利関係(民法)**です。14問と数は多いのですが、範囲が広く、理解にも時間がかかります。時間をかけた分だけ点が伸びる科目ではありません。
配点が大きい科目と、勉強しやすい科目は一致しない。 ここが宅建の戦略の分かれ目です。
合格点は毎年変わります
宅建には「何点取れば合格」という固定ラインがありません。上位15〜18%程度が合格するように、その年の難易度に応じて基準点が決まる相対評価の試験です。
| 年度 | 合格基準点 | 合格率 |
|---|---|---|
| 令和6年度(2024年) | 37点 | 18.6% |
| 令和7年度(2025年) | 33点 | 18.7% |
私が受けた令和6年度は、過去でも高いほうの37点でした。だからこそ、目標は「合格点」ではなく「合格点+5点」に置くべきだと考えています。基準が動く試験で、ぎりぎりを狙うのは危険です。
4. 【体験談】私が45点を取った科目別の得点設計

私が最初に決めたのは、「どの科目で何点取るか」でした。結果と設計はこうです。
| 科目 | 目標 | 理由 |
|---|---|---|
| 宅建業法(20問) | 18点 | 範囲が狭く、条文がそのまま出る。ここを落とすと取り返せない |
| 法令上の制限(8問) | 6点以上 | 数字を覚えれば取れる。暗記で解決する科目 |
| 5問免除科目(5問) | 4点以上 | 土地・建物は常識で解ける問題も多い |
| 税・その他(3問) | 2点 | 3問しかないので、深追いしない |
| 権利関係(14問) | 8点 | 範囲が広く、理解に時間がかかる。満点を狙わない |
合計すると38点。ただし私が実際に狙っていたのは、ここからさらに上の40点でした。
理由は2つあります。合格点は年によって動くので余裕が欲しかったこと。そしてもう一つが、試験が終わってから合格発表までの1ヶ月を、そわそわして過ごしたくなかったことです。自己採点した瞬間に「これは受かった」と分かる点数で終わりたかった。
実際の結果は45点、宅建業法は20点でした。狙いを高めに置いた分、多少崩れても合格ラインを大きく上回れたことになります。
ここで大事なのは、最初から満点を狙っていたわけではないということです。宅建業法で満点を取るつもりで勉強すると、細かい例外までつぶす必要が出てきて、時間もプレッシャーも一気に増えます。狙うのは18点で十分です。20問中2問は落としていいと思っておくと、気持ちがかなり楽になります。
目標点は38〜40点の間で決めてください
考え方は人それぞれです。最短で仕上げたい人もいれば、私のように発表まで不安な時間を過ごしたくない人もいます。下の図で、自分に合う目標を選んでみてください。
目標にしたい合計点を選ぶと、科目ごとの内訳が切り替わります。
合格ライン重視型
最短で仕上げたい人向け。
※ 合格点は年によって変わります(令和6年度37点/令和7年度33点)。上の配分は目標設定の一例です。
宅建業法を最優先にした理由
宅建業法は、範囲が狭いのに配点が一番大きい科目です。しかも条文がそのまま問われるので、過去問を繰り返せば繰り返した分だけ点になります。権利関係のように「理解できないと手も足も出ない」ということが起きにくい科目です。
だからここは、努力が一番素直に点になります。18点(9割)という目標は高く見えるかもしれませんが、過去問を回していれば自然と届く水準です。
工業高校卒で法律知識ゼロ、暗記も得意ではない私が45点を取れたのは、才能ではなく配点の大きいところから順番に潰しただけです。
権利関係で満点を狙わなかった理由
権利関係14問のうち、10問前後が民法です。配点は2番目に大きい。それでも私は、ここで満点を狙うのをやめました。
民法が宅建業法と決定的に違うのは、次の3点です。
1. 条文が1,000条以上ある 宅建業法が全86条なのに対し、民法の条文数は桁が違います。全部覚えるのは物理的に無理です。宅建業法のように「条文を潰しきる」という戦い方が成立しません。
2. 初見の問題を無限に作れる 条文が膨大なうえ、登場人物の設定を変えれば新しい事例問題がいくらでも作れます。過去問を完璧にしても、本番で見たことのない設定が出てきます。ここが「過去問を回せば回した分だけ点になる」宅建業法との最大の違いです。
3. 暗記ではなく判断を問われる 民法はルールを知っているかではなく、そのルールを事例にどう当てはめるかを聞いてきます。AさんがBさんに土地を売って、Cさんが登場して……という問題を、覚えた知識だけで解くことはできません。
私も勉強を始めた頃、民法の意思表示のページを3ページ読んで撃沈しました。ここに時間を注ぎ込んでいたら、10ヶ月では終わらなかったと思います。
だから、範囲を広げないことが対策になります
民法で消耗しないコツは、手元のテキストに載っている論点だけに絞ることです。
意思表示、代理、時効、抵当権、相続、借地借家法。市販テキストが取り上げている論点は、過去に繰り返し出題されてきたところです。逆に言えば、テキストに載っていない条文は、出たとしても他の受験生も解けません。相対評価の試験なので、みんなが落とす問題を落としても順位は下がりません。
不安になると六法を開きたくなったり、別の参考書を買いたくなったりします。でも民法でそれをやると、範囲が無限に広がって時間だけが溶けます。テキストの論点を、事例ごと理解する。それ以上は追わない。14問中8点取れれば十分だと割り切ったほうが、結果的に合計点は伸びます。
5. どんな問題が出るのか(出題形式)

4肢択一といっても、聞かれ方にはいくつかパターンがあります。
- 正しいものを1つ選ぶ/誤っているものを1つ選ぶ:基本形。「誤っているもの」を聞かれているのに正しいものを選ぶミスが多発します
- 個数問題:「正しいものはいくつあるか」。4つすべての正誤が分からないと答えられないので難易度が上がります
- 組み合わせ問題:「正しいものの組み合わせはどれか」
- 判決文問題:長い判決文を読ませて解かせる問題。権利関係で出ます
近年は個数問題が増える年もあり、令和7年度は過去最多の11問が出題されました。難易度が上がると合格基準点が下がる仕組みなので、そこは心配しなくて大丈夫です。
6. 試験時間と時間配分

2時間で50問なので、単純に割れば1問あたり2分24秒です。ただ、この計算のまま解き進めると見直しの時間が残りません。
実際には、宅建業法の条文問題は30秒で解ける問題もあれば、権利関係の判決文問題で5分かかることもあります。科目ごとに配分を決めておくほうが確実です。
推奨タイムテーブル
| 順番 | 科目 | 時間 | 1問あたり |
|---|---|---|---|
| 1 | 宅建業法(20問) | 25分 | 約75秒 |
| 2 | 法令上の制限(8問) | 20分 | 約2分30秒 |
| 3 | 権利関係(14問) | 30分 | 約2分 |
| 4 | 税・その他+免除科目(8問) | 15分 | 約2分 |
| 5 | 見直し | 30分 | ー |
時間配分を事前に決めておくだけで、本番の焦りは半分になります。特に大事なのが最後の見直し30分です。ここを確保できるかどうかで、取りこぼしの数が変わります。
なぜ宅建業法から解くのが王道なのか
理由は3つあります。
- 得意科目から始めると波に乗れる
- 業法は知識問題が多く、時間をかけずに正答できる
- 25分で終われば「余裕がある」と感じて、その後の焦りが消える
50問を頭から順番に解くと、いきなり権利関係の民法から始まります。難しい問題で時間を溶かして焦る、という一番まずい入り方になりがちです。
私は「法令 → 業法 → 税その他 → 権利関係」で解きました
王道は業法スタートですが、私はこの順番で解いていました。理由は2つあります。
① 法令上の制限は暗記科目だから 直前に詰め込んだ数字が、頭に残っているうちに使えます。時間が経つほど抜けていく知識から先に処理する、という考え方です。
② マークシートのズレを防げるから この順番だと、問15〜50を解いてから問1〜14に戻るだけで完結します。問題を行き来する回数が減るので、マークする行がズレるリスクが小さくなります。
宅建は解答用紙の1行のズレが命取りです。私は問題を飛ばす回数を減らすことを優先しました。
どちらが自分に合うかは、模試で一度試してみるのが一番早いです。2〜3回練習しておけば、本番で慌てることはなくなります。
見直し30分の使い方
見直しは、全問を解き直す時間ではありません。やることを4つに絞ってください。
- 解きながら、迷った問題に「△」を付けておく
- 見直しでは△の問題だけを再検討する
- マークシートの番号ズレを最終確認する
- 迷ったら最初の直感を変えない
最後の1つは意外と重要です。見直しで 答えを書き換えて、結果的に正解を消してしまうのはよくある失敗です。明らかな読み違いに気づいたときだけ直してください。
(公開予定:宅建の試験時間は2時間|時間配分と解く順番 )
7. まとめ:宅建は「配点の偏り」を知った人から有利になる試験

- 宅建試験は50問・4肢択一のマークシート、試験時間は2時間
- 公式の出題範囲は7項目。市販テキストでは4科目に整理されている
- 例年の内訳は宅建業法20問・権利関係14問・法令上の制限8問・税その他3問・免除科目5問
- 宅建業法だけで配点の4割。ここを固めるのが最短ルート
- 合格点は相対評価で毎年変わる(令和6年度37点、令和7年度33点)。目標は合格点+5点
- 目標点は38〜40点の間で設定する。私は40点狙いで、結果は45点(宅建業法20点)でした
試験の中身が分かったら、次は勉強の進め方です。
範囲を「全部やろう」とした人から脱落していきます
最後に、これから始める方に一番伝えたいことを書きます。
私は合格までに600時間を使いました。朝4時に起きて2時間、それを10ヶ月です。その時間は、娘たちと過ごす休日や、家族との夜の時間から持ってきたものでした。
いま振り返ると、600時間のうち何割かは、出ない範囲に使っていたと思います。3問しかない税に不安を感じて深追いしたり、権利関係の細かい論点で立ち止まったり。配点を意識していたつもりでも、不安になると人はつい全部やろうとします。
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この記事で配点の偏りを知った状態で読むと、「どこを捨てていいか」がはっきりします。削れた時間は、そのまま家族に戻せる時間です。
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